煤けた髪の少女が閉ざされた塔で出会ったのは──恋を知らない天才魔術師。

「ここは、私のような“落ちこぼれ”が踏み込んではいけない世界だと思ってた」

魔力が全てを決める世界。

髪の色さえ魔力量で序列が決まる魔力至上主義の社会で、煉瓦色の髪を持つ少女・アシュリーは、自らを“落ちこぼれ”だと認識していた。

だがその内面は、並外れた知識と魔法操作の技術に満ちている。

「君しかいない。あの青年を“教育”できるのは」

師匠から言い渡された任務──それは、絶大な魔力を持ち誰も近づけない幽閉された青年・ノアの教育だった。

絶対魔力を持つ孤独な青年と、繊細な魔女の邂逅

誰もが恐れる“封印塔”の奥、誰にも触れられない男がいた。

ノア──あまりに強すぎる魔力ゆえに、触れることさえ許されず、心を閉ざした青年。

彼は言う。「僕に近づけば、君も壊れてしまう」

だが、アシュリーは恐れない。

自分が“魔力で人を測らない”ことを、彼に示すように静かに語りかける。

魔法の操作技術と、心の距離を詰める繊細な描写

アシュリーは、“魔力の強さ”ではなく、“魔法をどう操るか”においては誰よりも優秀だった。

魔法陣の再構築、精密な筆記、魔素の流れの読解──

彼女がノアに施していく教導は、いつしか“教育”を超え、“心”へと届くものになっていく。

「なぜ、僕を恐れない?」
「あなたを壊すものとしてではなく、救われるべき存在として見てるから」

その言葉が、ノアの“世界”を少しずつ変えていく。

嘘と秘密に満ちた“逆転ラプンツェル”の物語

封印塔の中に囚われた“王子”と、そこへ訪れた“落ちこぼれの魔女”。

この関係性は、まさに“男女逆転ラプンツェル”。

塔の中でふたりの時間が積み重なっていくほどに、ノアの表情に変化が生まれ、アシュリーの髪色にも、微かな変化が……?

光を知らなかった者同士が惹かれ合い、自分自身の在り方を問い直していく。

恋とはなにか、心を繋ぐとはなにか──それを知るための、ふたりだけの魔法の時間。

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『落ちこぼれ魔女と恋を知らない天才魔術師』は、才能ではなく“心の通い合い”が世界を変える物語。

魔力に縛られた価値観を打ち破りたいすべての人に、読んでほしい。

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