世界の命運が懸かっていても、料理は止めません──転生料理研究家、今日もマイペース

王女の密訪、国家間の対立、滅びの予言……。

そんな一大事が迫る中でも、シャーリーの手は、鍋と包丁から離れることはなかった。

「それで?この野菜、蒸す?それとも、ソテー?」

そんな彼女の“当たり前”が、やがて世界の在り方を変えていくことになるなんて、誰が想像しただろう。

魔法も戦争も政治も……シャーリーにとっては、調味料ひとさじの話題

“転生料理研究家”という異色の肩書きを持つシャーリー。

彼女の興味の中心は、王族でも、魔法でも、外交でもない──あくまで「おいしいものを作ること」。

けれど、彼女の手料理に魅了された人々が、少しずつ心を開き、立場や身分を超えて絆を結び始める。

それは、どんな魔法よりも確かな奇跡。

王女の訪問と、戦争の予兆──料理人に託された希望

隣国クレアドの王女が、ローゼリア王国に密かにやってくる。

「クレアドはじきに滅びる」──

その予言に動揺する貴族たちの中で、エドワルドはある突飛な作戦を思いつく。

そしてその鍵を、料理研究家シャーリーに託す。

なぜ料理人に? と思われるかもしれない。

だが、シャーリーの料理が紡ぐ“平和”の味は、人の心すら動かす力を持っていた。

各国の思惑が交錯するなかで見える、“料理”という絆

王女、王族、諜報員、兵士──さまざまな人間模様の中で、シャーリーが選んだのは対立ではなく“味覚の橋渡し”。

戦火を防ぐための料理、亡国の民のためのレシピ、希望を託された一皿。

そこには、“食べること”という原始的で最も根源的な行為がもたらす、圧倒的な説得力があった。

「腹が減っては、戦もできぬ。だけど満たされた心は、争いを遠ざける」

シャーリーが作るのは、ただの料理ではない。人と人を繋ぐ“未来の調味料”そのものだった。

リアムの不在、アルベールの決意、そしてシャーリーの道

リアムが姿を消してから、世界は変わり始めていた。

母国の危機を知ったアルベールもまた、覚悟を決めて動き出す。

そんな中で、シャーリーが選んだのは“世界を救うための料理”。

魔法ではなく包丁を、剣ではなくフライパンを手に取り、

誰よりもマイペースに、そして誰よりも真っ直ぐに、未来を変えようとする。

『転生料理研究家は今日もマイペースに料理を作る あなたに興味はございません3』は、

戦争と陰謀、滅びと再生の中で、食がもたらす奇跡を描いた異色の異世界グルメファンタジー。

読めばきっと、温かいスープのように心まで満たされる。

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